不動産投資を考えない理由
実物の不動産投資や太陽光発電投資はおすすめしません。
まずは、FIREを目指す人が不動産投資を考えてはいけない理由を4点解説していきます。
少子高齢化で人口が減少
日本の総人口は急速な少子高齢化により減少が進みます。当然ですが空き家が増えてきます。
人口に対して住宅が余る状態です。
住宅が余ればその価値は下がります。
都心の一部地域を除けば、土地や建物を購入するにしても価格は下落し買い手市場。
賃貸に住むにしても家賃は下がり、借り手市場です。
となると、客付けがとても難しくなります。
客付けは不動産業者のさじ加減ひとつというところもありますし、不動産業者に頭を下げて回るようなことをしなければ、入居者がなく賃料収入はゼロになってしまうかもしれません。
また、借入金の返済や固定資産税の支払い、修繕費などを考えたら、収支がマイナスになることも考えられます。
リスク分散がしづらい
不動産投資を大きくやって大きく稼ごうと思うと、投資金額もそれ相応の額になります。
1つ大きな建物を所有するとなれば、借入金は億単位になることも。
1000万円単位で1つの物件にお金が集中します。それを担保に、また「次の建物や物件を」となるのでしょうが、次もまた大きなお金がかかります。
投資はリスク分散が大切です。その意味からもおすすめはできません。
また、急な出費が必要になって物件を売却しようとしても、一棟だったりすると、売り先は投資家くらいしかいないことが予想され、売り急いでいるところを見透かされて、足元を見られて安く買い叩かれることも容易に想像できます。
よい物件を安く買うスキルを身に付けるのには時間がかかる
不動産投資には、物件を購入して賃貸業を営んで利益を得る投資方法(インカムゲイン)と、安く買って高く売る株式投資と同じスタイルでの売買益を得る投資方法(キャピタルゲイン)があります。
どちらにしても、よい物件を見極める目が必要です。
そして、その物件を買うのに相場を知らなければうまくはいきません。
価格も大きいので、そのスキルを身に付けるにはそれなりの経験と時間をかけたいところです。
所有する物件を増やすと管理が大変
FIREして早期リタイヤができたらシンプルな生活が待っています。
そこに不動産物件は果たして必要でしょうか。
不動産を所有することで発生する煩わしいことは、実はたくさんあるのです。
実際の賃貸経営では、賃借人の退去時にあり得ないくらい部屋が傷付けられたり汚されたりしていたら、まずはそこで心を痛めます。
その上、お金をかけてリフォームもすることになり、業者への発注やそのやりとり、完成後の支払い、自分でリフォームする場合は材料の買い付けや作業もしなくてはなりません。
自分に万一のことがあった場合の相続についても考えておく必要があります。
こうして考えてしまうと、実物の不動産投資よりも専門家に任せるREITへの投資で十分のよ
うに思えてきます。
太陽光発電投資を考えない理由
次に、太陽光発電投資を実際にやらない理由です。
世界中でいま、温室効果ガスの削減のために「脱炭素社会」の実現に向けての取り組みが行われています。
地球温暖化がこのまま進んでいくことによって海面上昇や生態系の破壊、農作物の不作などが予想され、世界中が混乱に陥る可能性も否めません。
日本では2050年の温室効果ガス排出ゼロを目指し、再生エネルギーの主力電力化に力を入れ始めました。
経済産業省は2021年7月に、「2030年までに電源構成を自然再生エネルギーへ大きく転換し、太陽光や風力、水力などによる再生エネルギー36〜38%、原子力20~22%、火力発電は現行の75%から41%に実質的に減らす」方針を発表しています。
また、各自動車メーカーはすでにガソリン車から電気自動車へと大きく舵かじを切りました。
その意味でも太陽光発電は、再生可能エネルギーの主要電源として、今後の見通しの明るい投資です。
しかし、実際に自分で太陽光発電投資をすることはおすすめできません。
というのも、実は筆者も以前に太陽光発電投資を始めてみたいと思い、どのくらい利益が出るのか調べたことがあります。
まず初期投資としてかかるのが、土地代、太陽光パネル代などです。しかもその太陽光パネルの寿命は25年。
投資となるとかなりの数のパネルを設置することになるので、その数を処分するとなると産業廃棄物扱いとなり、かなりの費用がかかります。
そのほかにも、太陽光発電設備が収益を目的としている場合、事業用資産と見なされて固定資産税がかかります。
委託業者の作った利回り計算書にはその処分費用と固定資産税が含まれていなかったため、自分で概算してみたところ、思ったほどの儲けは見込めないことがわかりました。
また、自然災害のリスクもあります。台風の風でパネルが飛ばされてしまうこともありますし、落雷や積雪でパネルが機能しなくなれば修理やメンテナンスも必要です。
日照時間が足りなければ期待したほどの投資の利益は得られません。
さらに、委託業者がよい会社かどうかはすぐにはわかりませんので、慎重に見極めることも重要です。
不動産投資と太陽光発電投資のどちらにも感じるのは、モノを持つことへのリスクです。
モノがあると、そのモノの管理にお金がかかり、手間も時間もとられてしまいます。
FIREを実現したあとは、必要最小限のモノに囲まれたミニマムさが、収入を増やし支出を減らすカギです。
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