50代が備える三大資産
「もう50歳か……」と感じている人も、「まだまだ50歳!」と意気込んでいる人も、心のどこかで「起業してみたい」と一度でも思ったことがあるのなら、今がその想いを実現する絶好の機会です。
なぜなら、50代からの起業は、ほかのどの年代にはない最強の武器を手にしてスタートできるから。
その武器とは、これまでの人生であなたが築き上げてきた「時間」「資金」「経験」という三大資産にほかなりません。
この3つの資産が最も充実していてバランス良くそろうのが50代ですから、精神的にもゆとりを持って、戦略的に新たなビジネスへと乗り出すこともできるのです。
- 「時間」というゆとり
- 「資金」という安定基盤
- 「経験」によって培われた価値観と世界観
これらの資産が、あなたの「起業」という新たな挑戦を支え、成功へと導いてくれます。
武器としての「時間」〜起業成功させる時間の確保
一般的に50代に入ると、さまざまな理由から自由に使える時間が増える傾向にあります。
プライベートでは、子どもが大学生や社会人になり、子育てが一段落したことで、自分のために使える時間が増えていることを実感している人もいるでしょう。
仕事の面でも、長年のキャリアで培った経験やスキルによって、若い頃よりも仕事の段取りが格段に良くなり、同じ業務でもより短時間で質の高い成果を出せるようになっています。
また、実務作業よりも部下の育成やマネジメント業務の比重が増え、仕事を任せられる範囲が広がったことで、直接的な作業時間が減り、時間的な裁量が大きくなっている人もいます
この時間的なゆとりこそが、起業を成功させるための貴重な資産となります。
起業初期は、事業についてさまざまに思考し、新しい知識を学び得て、具体的な行動計画を立てて実行するために、多くの時間を費やすことになりますが、50代はこれらの活動にもじっくりと取り組む時間を確保しやすいのです。
時間的なゆとりは、精神的な余裕にもつながります。
起業してもすぐに結果が出るとは限りませんが、もし「時間」という武器がありさえすれば、焦って短期的な成果を求める必要
もないのです。
どっしりと構え、PDCAサイクルを丁寧に回しながら、着実に事業を成功へと育てていくことができます。
また、これまでの長い社会人経験で時間管理能力はすでに身につけているはずですから、その能力を活かせば、貴重な時間を浪費することなく、起業という目標達成のために有効に使うこともできるわけです。
武器としての「資金」〜起業成功させる環境整備と精神的安定
50代になると、ある程度の経済的基盤が整ってくる人も少なくありません。
長年の勤続による収入の蓄積や、キャリアのピークを迎えることによる高い給与水準もその一因です。
専門性や役職が収入に反映されやすい時期とも言えるでしょう。
また、住宅ローンが完済に近づいたり、既に終わっていたりすることで、月々の大きな支出が減っているケースもあります。
定年を見据えた退職金や企業年金の見込みが、将来への経済的な安定感につながっている人もいるはずです。
この「資金」の余裕が、起業の成功を加速させるための環境整備と精神的安定をもたらしてくれます。
資金的な余裕は、事業を成長させるための選択肢を広げます。
例えば、ビジネスを立ち上げるのに必要な知識を学ぶセミナーに参加したり、効率的に作業を進めるための高性能なパソコンをそろえたりといった「自己投資」や「設備投資」に、ためらうことなくお金をかけられることも可能になるわけです。
また、時間をかけてコツコツと集客する方法だけでなく、時には広告費を投下して、より早く、より多くの人にあなたのビジネスを届けるという戦略的な一手も打てるようになります。
そしてさらには資金的余裕は「心のゆとり」をもたらします。
人は、資金が底をつきそうになると「何とかして売らなければ」という焦りから、顧客に対して強引な売り込みをしてしまいがちです。
しかし、ある程度の資金基盤があれば、そうした状況を未然に防ぎ、常に堂々とした姿勢を保つことができます。
「心のゆとり」は、あなたの佇まいにも安定感をもたらしてくれるのです。
その安定感に、顧客は深い信頼感を抱きます。結果として、あなたのまわりには自然と人が集まり、ビジネスがさらに安定していく「好循環」が生まれるわけです。
武器としての「経験」〜「価値観」と「世界観」でブランド化
50代における個性的で強力な資産と言えるのが、これまでの人生で培ってきた「経験」です。
そこから醸成された「価値観」と「世界観」は、あなただけのオリジナルブランドを創り上げる源泉となります。
50年以上の歳月をかけて、あなたは「何に価値を感じるのか」「何を優先し、何を大切にするのか」といった、あなた自身の判断基準である「価値観」を磨き上げてきました。
そして、その価値観に基づいた捉え方で、さまざまな形態で表現を続けてきた積み重ねが、あなた独自の「世界観」を形作っているのです。
「価値観」や「世界観」は、思い立ってすぐに作れるものではなく、長い年月をかけてあなたの中でゆっくりと熟成されてきた貴重な資産と言えます。
50代にもなると、その価値観や世界観はこれまでの数々の経験に裏打ちされ、容易には揺るがない確固たる「軸」として根付いています。
この「ブレない軸」こそが、あなたが発信する情報やこれから始める事業に一貫性と深い信頼性をもたらしてくれるのです。
あなたの価値観と世界観は、いわば独自の「フィルター」とも言えます。
世の中の誰もが目にする情報や出来事も、あなたというフィルターを通して語られることで、他では得られない深みや面白さが加わるのです。
「誰が、どの視点で語るか」が問われるようになった現代において、このフィルターそのものが、あなたのコンテンツを唯一無二の価値あるものへと昇華させていきます。
例えば、本を評する「書評」で考えてみましょう。
単に本のあらすじをなぞるのではなく、「50年間、この分野で生きてきた自分の視点から見ると、この本は……」とあなたが語れば、そこにはあなただけの価値観が反映された、独自性のある書評が生まれるはずです。
私の場合は「書籍編集者」という立場なので、「作り手の視点から、この本をどう評価するのか」が独自のフィルターとなります。
多様性が重視される現代です。
あなたの持つ独自の価値観や世界観を、本書でこれから紹介する方法で臆することなく発信してみてください。
「その考え方が好きだ」「その視点に深く共感する」という人たちが、あなたのまわりに集まり、熱心なファンになってくれるでしょう。
確立されたあなただけのフィルターは、磁石のように、あなたに共感する人々を惹きつけるので。
あなたの持つフィルターを通して見える「世界観」と「価値観」は、起業を成功させる力になります。



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