3ステップで到達できるカリキュラムを組む
「何を教えるか」が決まったら「どの順番で教えるか」を含めた具体的なカリキュラムの作成をしていきます。
カリキュラムでは、受講生が安心して学習に取り組めるように、学習の全体像と、講座を受けて目的達成に至るまでの「マイルストーン(中間目標)」を提示し、「この課題をクリアすれば、ここまでできるようになる」という具体的な成長過程をイメージしてもらいます。
カリキュラムで組むのは、3ステップです。
受講生がノウハウを実践して目的に到達できるまで、段階を踏んでいけるように組んでいきます。
オンライン講座は「動画」と「テンプレート」で提供する
受講生が、途中で挫折することなく最後まで取り組めるカリキュラムであることも重要です。
ここからは、受講生の成長を促し、深い満足感を得てもらうための具体的なカリキュラム設計の工夫についても解説していきます。
講義は「動画」で提供する
受講生が好きな時間に繰り返し学べるように、講義は動画で提供します。
動画の収録時間は、1本5分から15分程度で収めます。
集中力を維持するためです。
1本の長い動画をずっと視聴して学ぶという動画構成は飽きられやすいですが、短い動画に細かく分けることでその負担が軽減されます。
1ステップには、講義動画を5コマ(5本)程度入れ、その5コマをすべて視聴すると1ステップがクリアできるようなイメージです。
講座に収容される動画の本数が多く、総収録時間が大きいと、商品自体にボリュームが出て、講座自体の価値が上がります。
「こんなすごいボリュームなのに、こんな金額でいいの!?」というような印象になるからです。
1コマの講義の中で詳細なところまで教える丁寧な解説動画を数多く用意することで、受講生はテンポよく学びを進めることができ、顧客満足度が上がります。
「テンプレート」を提供し、作業の効率化を図る
また効率的に作業を進められるよう「テンプレート」も提供します。
ただし、オンライン講座で大切にしたいのは、そのテンプレートが「なぜそのテンプレートの型になったのか」という基本の考え方を先にマスターしてもらうことが重要です。
基本を理解しないままテンプレートを使っているだけでは、時代や状況が少し変わっただけで途端に応用が効かなくなり、すぐに使えない薄っぺらいノウハウになってしまいます。
受講生にとって財産となるのは、この基本の考え方をもとにして培える力です。
動画で本質を理解してもらった上で、テンプレートを自在に使いこなせるよう導いていきましょう。
サポート体制を整え、受講生の離脱を防ぐ
どれだけ優れたカリキュラムでも、一人で学び続けるのは難しいものです。
受講生を孤立させず、最後まで並走するための手厚いサポート体制を構築しておきます。
いつでも質問できる環境をつくる
受講生を孤立させないために、「いつでも質問できる環境」と「直接会える機会」を作りましょう。
Chatworkなどを活用して「24時間365日質問OK」の窓口を設けます。
疑問をすぐに解消できる環境は、受講生の安心感につながります。
私がよくやっているのは、月に2回程度のZoomグループコンサルティングです。
オンライン上でも対面でも、直接対話しながら悩みを解決する場を設けるのは効果的です。
こうした対話の場は、あなたの「価値観」や「世界観」を伝える絶好の機会になります。
飲み会などのリアルなイベントを開催すれば、より親近感が生まれます。
「あのイベントは楽しかった」という思い出の共有は、あなたと受講生の絆を深め、卒業後も続くファンになってもらうための重要な仕掛けです。
進捗を管理し、個別に声をかける
受講生一人ひとりの進捗状況を把握し、滞っている受講生に対しては、個別に「受講を進めていく上で困っていることはありませんか」と適宜、声をかけます。
動画の視聴状況や内容の理解度を確認するチェックリストなども仕組み化して活用していきましょう。
この「進捗管理」と「声かけ」を効率的に行うために、私が活用しているのが「UTAGE」というマーケティングツールです。
UTAGEは、どの受講生がどの動画まで見たかを把握できるだけでなく、メール配信や販売、決済、そして受講生専用の講座サイト(講義動画やPDF教材を格納する会員ページ)の構築まで、オンライン講座の運営に必要な機能が一つにまとまっています。
受講生からの信頼は、ビジネスの資産になる
50代からの起業で実施するオンライン講座は、自動販売方式ではありますが、こちらからの能動的な働きかけがあれば、受講生の満足度は向上します。
何もせずに放置して、受講生に成果が出せないままでいると講師の評判にも影響しかねません。
受講生がサービスの対価としてお金を払ってくれている顧客である以上、その人を成功に導くのは講師であるあなたの責任です。
受講生自身が、講座を受講して一歩一歩、確実に成長している実感が持てるようになっていると、講師であるあなたへの信頼感が厚くなります。
この信頼感が、この先のあなたのビジネスを支える資産となっていくのです。
講義1コマ(動画)構成の作り方
講義1コマ(動画1本)を視聴する受講生が理解を深められるように、講義の内容は構成を決めておきましょう。
そこでお勧めしたいのが、「PREP(プレップ)法」です。
「Point(結論)」、「Reason(理由)」、「Example(具体例)」で話を進めるという論理的な構成方法になります。
プレゼンテーションなどでよく使われている技法です。
講義1コマ(動画1本)の構成は、PREP法を活用して次のように考えていきます。
P(Point = 結論)
まず最初に「この動画では〇〇について解説します」と、その動画で伝えたい結論から述べます。
R(Reason = 理由)
次に「なぜなら、〇〇だからです」と、その結論に至った理由や根拠を説明します。
E(Example = 具体例)
そして「例えば、このようにやってみてください」と、具体的な事例や実践的なノウハウを提示します。
P(Point = 結論の再確認)
最後に「まとめとして、大切なのは〇〇です」ともう一度結論を繰り返し、内容を定着させます。
この流れに沿って進めていくだけで講義は格段に分かりやすくなり、受講生の理解度と満足度を向上させられます。


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