社会保険も見直そう

遊興費

個人事業のままでいくのか、それとも会社にするのか

FIRE達成後、早期リタイヤで会社を退職して「頑張らない起業」をしていると、個人事業のままでいいのか、一人会社で会社を起こすのか、考えるタイミングが何度も来ると思います。

 

ここでは、社会保険(健康保険と厚生年金)に加入するのか、しないほうがいいのか、考えてみます。

法人成りした一人会社に加入義務がある社会保険は、健康保険と厚生年金保険の2つです。

個人事業であっても、国民健康保険と国民年金保険の加入は義務となるので、それが社会保険に切り替わります。

最大の違いは年金で、国民年金だけなのか、厚生年金を上乗せするのかは、老後資金の確保という点でも大きな違いです。

 

年金は3階建てで、1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金、3階部分がiDeCoや企業型DCなどプラスアルファ部分となります。

そのまま考えれば、老後に保障される所得額は厚生年金のほうが国民年金より多くなります。

ましてや3階部分のiDeCoや企業型DCを加えたら、老後の生活資金についての不安はほぼ解消されます。

 

つまり、収入に応じて保険料が確定する厚生年金保険制度では、収入が多ければそれだけ保険料は多くなるものの、老後に給付される金額も多くなります。

そう考えれば、国民年金保険に比べて厚生年金保険は決して損というわけではありません。

 

健康保険についても考えてみます。

国民健康保険と社会保険も共に、年間の収入に応じて、保険料が確定します。

この点で考えれば、健康保険においては、社会保険にしたからといっても大差ありません。

しかし、年収130万円未満の扶養家族がいる場合は、社会保険のほうが断然トクです。

なぜなら、国民健康保険や国民年金保険には「扶養」の概念がありません。

3人いれば3人分支払うことになるからです。

 

そう考えると、自分の会社を持って給料をもらい、社会保険に加入するのはかなりのメリットです。

社会保険料の決定は給料に紐付けられていますから、そこを考慮に入れて自分が一人会社からもらうべき給料を割り出します。

 

社会保険に加入できる最低給料は

どのくらい給料を支給すれば社会保険に加入できるのか、については、住んでいる地域の年金事務所によって判断が変わります。

 

結論からいいます。

 

東京なら8万8000円で設定しましょう。

自分の会社では、自分のもらう給料(役員報酬)は自分で決められます。

 

その給料設定の考え方ですが、会社(法人)に籍がある場合、社会保険料は給料に紐付けされているので、社会保険料の金額はもらった給料から計算されます。

FIREを達成したあと、「頑張らない起業」をしていれば、生活費の大半が経費化されているはずなので、給料としてもらっても生活費にお金を使うことはほぼありません。

なので、給料は最低の8万8000円で設定します。

 

社会保険料は、給与の30%と考えると8万8000円の30%で2万6400円。

労使折半なので、自分の経営する会社で払う社会保険料は1万3200円。

個人で持つぶんも1万3200円。

合計すると、月々2万6400円で健康保険と厚生年金がまかなえることになります。

もちろん健康保険は扶養家族も使えます。

なおかつ確定申告のときに、個人では社会保険料控除が適用されますし、法人では損金への算入が可能です。

 

会社を作って、社会保険に加入しよう

早期リタイヤを実現して自分で会社を持つと、給与と紐付けされている社会保険料を最低額に設定できるのが大きなメリットであることがわかりました。

また、厚生年金が適用される企業になれば、企業型DCの加入申請もできます。

 

「頑張らない起業」で法人化して、代表取締役1名の会社を設立した際は、厚生年金適用事業所の適用届を早めにもらうためにも、社会保険の新規適用の手続きはしておきましょう。

会社を設立して役員報酬が発生した段階で、一人会社であっても社会保険に加入しなければなりません。

 

ここでいう社会保険は、健康保険と厚生年金保険のこととします。

一人会社として社会保険に加入する場合は、健康保険と厚生年金保険の2つの手続きをまとめて行うことになります。

 

手続き書類の提出先は、事務所の所在地を管轄する年金事務所です。

管轄は、日本年金機構のウェブサイトから確認できます。

 

手続きの際の提出書類は3つです。

 

  1. 法人(会社)を社会保険の適用事業所にする(新規適用届)
  2. 社長自身の被保険者の資格を取得する(資格取得届)
  3. 社長の被扶養者の資格を取得する(被扶養者がいる場合:被扶養者届)

 

社会保険料を口座振替で納付する場合には、「健康保険厚生年金保険保険料口座振替納付(変更)申出書」を記入して提出します。

引き落としになる金融機関の名称や口座番号がわかる通帳など、および銀行印を忘れずに持っていきましょう。

ネット銀行は対象外になっている場合があるので注意してください。

これで手続き完了です。

 

書類の提出後、おおむね2週間程度で手続きが完了し、通知書 (普通郵便)と保険証 (特定記録郵便)が届きます。

保険証は、本人の住所ではなく会社宛に届きます。

これで、晴れて厚生年金適用事務所です。

一人会社の場合、大半が全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入することになります。

 

健康保険料と介護保険料(40歳以上の場合)、そして厚生年金保険料は、報酬の月額をもとにして各自治体で決めた等級表によって決定されます。

おおよそですが、月額報酬の約30%を社会保険料として納めるものだと考えておきましょう。

それを会社と被保険者が半分ずつ負担します。

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